バタフライ弁には一般的な単偏心型、二重偏心型、三重偏心型、四重偏心型などの種類があります。それぞれ特徴が異なるため、適したものを選択して使用しなければなりません。
ここでは、三重偏心のバタフライ弁とはどのようなものなのか、具体的にどういった製品の事例があるのかなどを紹介します。
三重偏心バタフライ弁、どのようなものなのでしょうか。おさえておきたい構造やメリットなどを紹介します。
バタフライ弁は、多くの産業分野で広く使用されているものです。特徴として、装置の中にある円盤状のディスク(弁体)が回転し、流れを抑える構造をしています。通常のバタフライ弁と比較すると、三重偏心バタフライ弁はさらに流体の流れを制御する力が強いのが特徴です。
通常の偏心弁は、回転軸である弁棒の中心と弁体の中心が離れた構造をしています。さらにそれよりも流体の流れを制御する機構が発展した二重偏心弁は、弁棒の中心と弁体の中心、バルブ本体の中心線からそれぞれ離れているのが特徴です。
三重偏心弁はこの二重偏心に加えて円錐の中心線がバルブ本体の中心線よりも傾いて位置する、つまり円盤の中心がパイプの中心とは異なる3つの軸を持つ構造になっています。
通常の偏心弁や二重偏心弁と比較すると、三重偏心のバタフライ弁は性能面で優れているため、流体漏れを極力抑えることが可能です。より細やかな流体の制御ができます。
また、長期間の使用に耐えられるように設計がされていることから、耐久性に優れているのもメリットといえます。これらのメリットを活かすことによって活躍の場が広いのも特徴です。
実際に三重偏心バタフライ弁にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、製品の事例を紹介します。
株式会社栗本鐵工所の事例です。300℃ 2MPaの液体、ガスの遮断が行えます。
2mの大口径配管にも対応できる製品です。
巴バルブ株式会社の事例です。巴バルブ株式会社では三重偏心弁の「TOMOE TRITEC」というシリーズを展開しており、その中にスタンダードタイプとして加えられたのがTT2です。
三重偏心弁のトルクシール原理を継承しながらも、新たな技術・生産性向上によって誕生しました。異なるプラント建設やプラントメンテナンスコストといったものの低減に繋がるように開発されています。
同様に巴バルブ株式会社の事例です。圧力クラス1,500Lbまでのフルレーディングに対応できるのが特徴です。
API609に準拠しており、過酷な条件下を含む150~1,500Lbでも使用できます。
三重偏心バタフライ弁について紹介しました。通常の偏心弁や二重偏心弁と比較すると流体漏れが抑えられること、耐久性が高いことなどの理由があり、さまざまな用途で活用されています。
ただ、複雑な構造であることからコストが高くついてしまうデメリットもおさえておきましょう。
以下の記事ではバタフライ弁に関してほかにも確認しておきたいことを紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
オーケーエム
クボタ
KITZ(キッツ)
※2022年1月に「バタフライ弁」「バタフライバルブ」「バタ弁」で検索し、該当した上位30社を調査した際の情報を基にしております。「オーケーエム」は創業年数と専門性、「KITZ」は取り扱うバルブの種類、「クボタ」は水道用バタフライ弁の取り扱い数がそれぞれ最も長い・多いため選出しました。