流体に適切なバルブを選定するためには、流体の種類や温度、圧力のほか、バルブの役割や適用される法令・規格を確認しなければなりません。また、バルブの種類や本体の材質、弁体やシート等の材料の選定も重要です。使用するガスによってはバルブや配管が腐食してしまう可能性もあります。そのため、使用するガスの性質や特性を考慮し、耐食性の高い素材を選定しましょう。
バルブなどの配管部材は、欠陥や事故によって人命に影響を与える可能性があります。そのため品質を確保することは重要であり、法規によってはバルブの利用に制限が設けられている場合があります。つまり流体によって使用できる管種や接続可能なバルブが定められているということです。無視して設置してしまうと、思わぬ事故や法令違反につながる可能性があるため注意しましょう。
バルブに関連する法規としては、消防法や水道法、高圧ガス保安法、火薬類取締法、ガス事業法、労働安全衛生法、石油パイプライン事業法などが挙げられます。たとえば都市ガスやLPガスといった燃料ガスは可燃性流体であり、危険性や爆発性があります。そのため、液化ガス法や高圧ガス保安法などの適用を受けます。
バタフライ弁は流体の遮断や流量調整などに用いられています。その場面は多くあり、建築設備や水道、プラント、水処理や洗浄といった装置事業、発電などが挙げられるでしょう。
燃料ガス設備においても採掘・精製・送り出し・運搬・受入・処理・供給において多くの種類のバルブが用いられており、ガスを流体として扱うときもバタフライ弁が活用されています。たとえば都市ガス事業の主な原料はLNGですが、LNGの配管には超低温(-163℃)への対応が必要です。
なお、ガスの遮断用に設計されたバタフライ弁がありますが、気密性や耐久性を高くしており、ゴム材質は使用するガスの特性に合わせて選定されています。
バタフライ弁の弁座(シート)では、合成ゴムやフッ素樹脂、メタルシートなどの材質が用いられています。合成ゴムではニトリルゴムやフッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどが挙げられ、耐油性や耐熱性に優れているのが特徴です。また、フッ素樹脂は耐熱性や耐薬品性に優れていますが、流体の温度や流速条件によって変形する可能性も。
そして、ガスを流体として扱うときによく使用されるのがメタルシートです。メタルシートは高温や高圧、超高真空や極低温などの過酷な環境でも使用できます。ガスをはじめとした特殊な流体の流量調整に用いられることも多く、少量の漏れを許容するつくりになっています。
ガス用バルブや水道用バルブでは、使用する流体によってバルブ内部が腐食してしまう可能性があります。そのため、バルブの内面に防食塗装を施す場合があります。
たとえば水系の流体に鉄系素材を用いた場合は錆びやすく、青銅やステンレスは錆びにくいという特徴があります。そのため一般的には、使用する流体に対して錆びにくい素材を選定しますが、「管端防食」という施工をおこなうこともあります。管端防食とは、管端の切断部の腐食を防ぐために、内部にプラスチックのコアを内蔵することをさします。管端防食を施した配管やバルブは「管端防食コア付」として販売されています。
バタフライ弁を使用できる流体には、水や蒸気、ドレン、油、気体などが挙げられます。
水では水道水(上水)や中水(雑用水)のほか、工業用水や給湯、温水、冷温水、高温水など幅広く用いることが可能、ただし用途や質、温度によってさまざまだといわれています。また、蒸気では、飽和蒸気や過熱蒸気などが挙げられます。さらに、蒸気が使用され凝縮してできた復水(ドレン)、灯油や重油、潤滑油といった油にも使用可能。また、都市ガスやプロパンガス、空気、窒素、酸素などの気体の流体制御や流量調整にもバタフライ弁が役立ちます。
ただし、バタフライ弁の特性や材質によっては使用できない流体もあるため、使用したい流体に適したバタフライ弁を選ぶことが大切です。
このページでは、都市ガスなどのガス管に求められるバルブについて解説しました。バタフライ弁は都市ガスを含むさまざまな流体の制御や流量調整に役立っていますが、ガスを扱う場合には法令・規格やバルブの材質などにも注意しなければなりません。
しかし、バタフライ弁の導入を検討している方にとって、「どのバタフライ弁を選定すべきかわからない…」という不明点も多いのではないでしょうか。そこで当サイトでは、バタフライ弁についてわかりやすく解説しているだけではなく、目的別におすすめの会社をピックアップして紹介しています。バタフライ弁について詳しい会社も紹介しているため、ぜひ参考にして相談してみてください。
オーケーエム
クボタ
KITZ(キッツ)
※2022年1月に「バタフライ弁」「バタフライバルブ」「バタ弁」で検索し、該当した上位30社を調査した際の情報を基にしております。「オーケーエム」は創業年数と専門性、「KITZ」は取り扱うバルブの種類、「クボタ」は水道用バタフライ弁の取り扱い数がそれぞれ最も長い・多いため選出しました。