バタフライ弁の中には、キャビテーションが低減できるように作られているものもあります。ここでは、キャビテーションがバタフライ弁に対してどういった影響を与えるのか、どのような製品があるのかなどを紹介します。
キャビテーションとは、液体中に泡が生じる現象のことをいいます。大きな原因は、液体が制御バルブを通過する際、液体の圧力が飽和圧近くまで低下すると気化するためです。
キャビテーションが発生すると、バタフライ弁にどのような影響を与えるのか解説します。
キャビテーションによって泡が発生したり崩壊したりすると、管路壁やバルブの接液部に大きな負荷がかかってしまうことがあります。その際に発生する可能性があるのが破壊現象による損傷です。
損傷が発生すれば、バタフライ弁の寿命が低下してしまいます。できる限りキャビテーションの発生を抑えることは、バタフライ弁を長持ちさせることにもつなるでしょう。
キャビテーションによって発生した泡が崩壊する際、高い圧力変動が起こってしまう箇所があります。高い圧力変動が発生した際に発生するのが騒音です。高い騒音が引き起こされてしまいます。
キャビテーションが発生することによって流体の流れが変わってしまうことがあります。これによって機器本来の性能を発揮できなくなる可能性があります。
キャビテーションがバタフライ弁に与える影響は大きいため、この影響を抑えるためにはキャビテーション低減型バタフライ弁の製品を選択すると良いでしょう。
以下のような製品があります。
滋賀県東北部工業技術センターとバルブ製造企業数社が共同研究して開発した製品です。
バルブ弁体の形状を工夫し、キャビテーションの発生を低減させています。弁体の下流側に整流板を設けているのが特徴です。
ギヤ式バタフライフロート弁キャビテーション低減装置付きのバタフライ弁です。高耐久性であり、ウォーターハンマー防止機能も搭載されています。
また、流入管にとらわれず設置可能なことや弁パッキンの交換が簡単に行えるのも特徴です。
全開度でもキャビテーションの発生を抑制できるように多孔ノズルを通過して流水する仕組みを作りました。これにより大流量調整を可能としています。
また、キャビテーションだけではなく、大流量でも騒音の抑制が可能です。
バタフライ弁においてキャビテーションの問題は影響が大きいため、可能であればキャビテーション低減が可能なバタフライ弁の導入を検討してみると良いでしょう。
キャビテーションによって発生する泡が崩壊することで発生する物理的な損傷だけではなく、騒音を抑える効果も期待できます。
以下の記事ではバタフライ弁に関してほかにも確認しておきたいことを紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
オーケーエム
画像引用元:株式会社オーケーエム公式サイト
(https://www.okm-net.jp/)
クボタ
画像引用元:株式会社クボタ公式サイト
(https://www.kubota.co.jp/product/valve/index.html)
KITZ(キッツ)
画像引用元:株式会社キッツ公式サイト
(https://www.kitz.co.jp/)
※2022年1月に「バタフライ弁」「バタフライバルブ」「バタ弁」で検索し、該当した上位30社を調査した際の情報を基にしております。「オーケーエム」は創業年数と専門性、「KITZ」は取り扱うバルブの種類、「クボタ」は水道用バタフライ弁の取り扱い数がそれぞれ最も長い・多いため選出しました。