ここでは素材について説明します。4種類の素材について説明しているので、使用用途にあわせてご参照ください。
アルミ素材は、アルミなどの溶融金属を金型内に流して成形する鋳造品のことです。加工性・耐食性・熱伝導性に優れていますが、強度が不十分なのが特徴です。非鉄金属の中でも非常に多く使われている素材になります。
精密な寸法に仕上がり、複雑な形状のものでも対応できます。また、溶かした金属を急速冷凍するので不純物が少なく、表面が滑らかに仕上がります。低コストで大量生産が可能です。他の金属より軽いので、アルミホイルやアルミ缶、1円玉などに使用されています。
他の金属素材に比べると強度がやや落ちるので、負荷がかかる部分には不向きです。また、溶かした金属を急速冷凍するので、金型の隅々まで溶かした金属が行き渡らないことがあります。
FCD素材はダクタイル鋳鉄と呼ばれ、球体の黒鉛を含んでいます。強度や耐摩擦性に優れているので、強度が必要な自動車部品や水道管などに使われている素材です。FC素材(ねずみ鋳鉄)と用途に分けて使い分けられています。
瓶などに使用されているFC素材に比べて、FCD素材は強度や靭性に優れています。さらに重量があるので、土台部分や水中でも使用できます。また、リサイクルできる素材なので、環境に優しいのもメリットです。
強度や靭性、耐摩擦性に優れている反面、減衰能は備えていません。そのため、用途によってFCD素材とFC素材が使い分けられています。また、凝固形態が複雑なので、高度な技術が求められます。
ステンレスは、炭素1.2%以下でクロム10.5%以上を含む鉄を主成分とした合金鋼です。錆びにくいので、食器や流し台などの水回りでよく利用されています。また、鉄や銅に比べて電気を通しにくいのも特徴です。
耐食性・耐熱性・強度に優れていて劣化しにくいので、幅広い用途で活躍します。保温性があるので、水筒やポットの内部に用いられています。また、リサイクル可能な素材なので、環境に優しいのもメリットです。
ステンレスは錆びにくいのが特徴ですが、傷ついたり、塩素系のものに触れたりすると錆びることがあります。また、熱伝導率が低いため切断するときに熱が逃げにくく、加工が難しいです。
モネルはニッケルと銅の合金で耐食性、耐熱性に優れています。耐食性の高さから、化学工業用構造材としても使われています。
モネルは溶接が容易な素材です。さらに、耐食性や耐熱性に優れているのに加え、硫酸・塩酸・有機酸にも強いので、様々な場面で重宝されています。例えば、プロペラやバネ、弁など海水や高温で使用される部品に用いられています。
ニッケルの量が多く、難切削材なので高価になってしまうことが多いです。また、耐食性に優れていますが、塩素など特定の物質にさらされると腐食することがあります。
バタフライ弁は、ボディ・ステム・ディスクで素材が異なります。そのため、調整する流体に応じて素材を選ぶことが大切です。
バタフライバルブのボディーに使用される主な素材別の使用圧力は以下の通りになります。
【最高許容圧力】使用圧力が最も高い高温高圧用炭素鋼鋳鋼品は、硬さ・引張強さ・衝撃値に優れており、各種プラントの高温・高圧用に使用されています。ダクタイル鋳鉄は使用圧力・温度範囲が広く、蒸気・水・ガス・油などに用いられるコストパフォーマンスの高い素材です。そのほか、青銅は低・中圧のバルブに最も適しているとされています。
バタフライバルブのボディーに使用される主な素材別の使用温度は以下の通りになります。
【許容温度】ステンレス鋼鋳鋼品は耐食性・耐熱性・低温性および機械的性質に優れた素材で、石油化学工業から事業設備まで幅広い分野で採用されています。一方で、そのほかの素材に比べて高価なのが難点。ねずみ鋳鉄品に使われている鋳鉄は融点が1150℃と比較的低く、低圧・常温用のバルブに使用されている素材です。
バタフライ弁の素材をはじめ、様々なバルブを扱っているおすすめメーカーを紹介しています。バタフライ弁の導入を検討されている方は、下記のページをご確認ください。
オーケーエム
クボタ
KITZ(キッツ)
※2022年1月に「バタフライ弁」「バタフライバルブ」「バタ弁」で検索し、該当した上位30社を調査した際の情報を基にしております。「オーケーエム」は創業年数と専門性、「KITZ」は取り扱うバルブの種類、「クボタ」は水道用バタフライ弁の取り扱い数がそれぞれ最も長い・多いため選出しました。