バルブの締め切り性能

このページでは、バルブの締め切り性能(漏れ度合い)を判断する指標として、JIS規格によって定められている等級の「リーククラス(弁座漏洩量)」や、様々な状態における締め切り性能などについて解説しています。

バルブの締め切り性能はリーククラス(弁座漏洩量)で規定される

バルブの締め切り性能とは、そのバルブによって流体をどれだけ遮断できるのかを示す性能であり、その性能評価はJIS規格によって「リーククラス(弁座漏洩量)」という等級で分類されています。

そもそも、どれだけ厳密にバルブを設計・設置したとしても、液体や気体といった流体を常に100%遮断することは不可能です。そのため現実にはある程度の流体の漏れを前提としなければなりません。

リーククラス(弁座漏洩量)とは、対象となるバルブがどれだけ流体の漏洩を遮断できるのかを示す等級であり、リーククラスによって優れていると評価されているバルブは、それだけ締め切り性能が高く流体の漏洩を防げると判断することができます。

なお、リーククラスは「JIS B2005(IEC 60534)」によって試験方法や基準が定められており、「Ⅰ~Ⅵ」の範囲で段階的に定義されていることもポイントです。

リーククラスの等級が高くなればなるほど、そのバルブの締め切り性能が優れていると判断することができ、ひいては流体の漏洩を防止することができるようになります。

リーククラス(弁座漏洩量)と最大弁座漏れ量

リーククラスは流体ごとに指定されている試験方法にもとづいて、どれだけの漏れ量が最大値として計測されているのか調査した上で規定されます。

例えばリーククラスが「Ⅰ」のバルブに関しては、試験流体は最大弁座漏れ量について特別な客観的な指標が規定として存在せず、製造者と購入者が個別に協議した上で締め切り性能を検討しなければなりません。

対してリーククラスが「Ⅱ」になると、試験流体は液体もしくは気体が対象となり、それぞれ定められた試験方法(1)によって締め切り性能が検査されます。なお、リーククラス「Ⅱ」における最大弁座漏れ量は「5×0.001×定格弁容量」となっています。

加えて、リーククラス「Ⅲ」になれば対象流体と試験方法は「Ⅱ」と同様ながら、最大弁座漏れ量の基準が「0.001×定格弁容量」となり、単純計算で5倍の締め切り性能を有していると判断することが可能です。

リーククラスにおける試験方法

バルブの締め切り性能を検査する評価基準として、リーククラスでは以下の2種類の試験方法(加圧基準)が規定されており、試験流体やリーククラスによって選択する試験方法が定められています。

  • 試験方法1:試験圧力が300kPa(3bar)~ 400kPa(4bar)または最大運転差圧350kPa以下の場合において、最大差圧の±5%以内
  • 試験方法2:バルブの仕様書に示された最大差圧の±5%以内

なお、実際に最大弁座漏れ量を測定する場合、バルブごとに指定された運転条件でアクチュエータを設定し、バルブを閉めた上で流体の入口側に試験圧力を加圧した後、出口側からの流体の漏れ量を測定するという流れです。

リーククラスの漏れ係数

リーククラス「Ⅵ(気体のみ)」においては最大弁座漏れ量の計算方法として「漏れ係数」が定められており、これは弁座径に応じて定められています。

一般的なバルブのリーククラス

オンオフ弁では「ⅤもしくはⅥ」、調節弁では「Ⅵ」のリーククラスが一般的に要求されます。

なお、手動バルブ(手動弁・マニュアル弁)であっても目的によってハイクラスの締め切り性能が求められますが、そのようなニーズにおいてはバルブの種類に注意して、そもそも高度のリーククラスの獲得が困難なゲート弁やバタフライ弁などは避けるように注意してください。

液封における締め切り性能

液体ラインにおいて直列にバルブが設置された場合、前後のバルブが「閉」の状態になればバルブ間のスペースは液体によって満たされた密封状態(液封)になります。また、液封に至っている状態においてバルブの周辺温度や環境が変化すると、バルブ内の液体の状態が変化して内圧が上昇したり、状況によってはバルブにトラブルが発生したりといった恐れもあるでしょう。

そのため、液封になることが想定されるラインやバルブ間に関しては、バルブの締め切り性能を維持しつつも、圧力逃がし弁などを設置して内圧の変化による悪影響を緩和できるようシステムを構築しておかなければなりません。

特にLNGなど気化によって膨張するリスクの高い液体については、ディスクホールを設けて昇圧を防止するといった取り組みが工夫されます。

逆圧状態における締め切り性能

逆圧とは、通常の運転環境とは異なる条件が発生した際、バルブ下流側が高圧となって、本来に想定されている方向とは逆向き(バルブ上流側)に流体の圧力がかかってしまっている状態です。

リーククラスの規定にもとづいてバルブの締め切り性能を検査する場合、バルブの入口側から流体を加圧して、出口側でどれだけの漏れ量が発生しているのか最大値を測定します。しかし逆圧状態においては流体の流れが逆方向となるため、特にバタフライ弁の場合は締め切り圧がどちら側からかかって高圧状態になるのか考慮した上でチェックしなければなりません。

バルブの上流と下流がそれぞれ入口側になる場合、締め切り性能を維持するためにはバルブの設計段階から調整することもあります。

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