バタフライ弁に使用されるシートリングは、密封性能と耐久性によって弁の性能が大きく左右されます。本記事では、ゴムやPTFEなど、多様な素材からなるシートリングの種類と特性について解説しています。
また、実際の応用事例についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
バタフライ弁に使用されるシートリングの種類はさまざまです。ここでは、以下の素材の特徴について解説していきます。
天然ゴム製のシートリングは、優れた弾性と耐摩耗性により、多様な産業用途で利用されます。低温環境での柔軟性が高く、軽度の化学薬品に対する耐性も備えています。しかし、油類や強い酸、アルカリには弱いため、使用環境を考慮する必要があります。
フッ素製のシートリングは、高い耐熱性と耐化学性を持ちます。高温。または腐食性の強い化学物質が存在する環境での使用に適しています。また、老化に対する耐性も高く、長期間の使用においても性能を維持します。
シリコンゴム製のシートリングは、一般的なサニタリー用途に広く使用されます。主な特徴は、優れた弾力性と耐熱性です。一定範囲の温度変化に対しても性能を保持できます。また、耐化学性もあるため、化学薬品の影響を受けにくいのも特徴です。
EPDM製のシートリングは、低酸性や低アルカリ性の環境に適しています。耐老化性に優れ、特に水や蒸気に対する耐久性が高いことが特徴です。長期間にわたる使用での性能低下が少なく、安定稼働してくれるでしょう。
高分子配合のシリコンゴム製シートリングは、蒸気用や熱麦汁用途に適しています。高温条件下での使用に特化しており、耐熱性と耐圧性に優れています。しかし、一般的なサニタリー用途には使用されず、特定の条件下での使用が主となります。
ここでは、バタフライ弁に使用されるシートリングの事例を2つ紹介していきます。
「UBシリーズ」のバタフライバルブは、化学プラントなどの厳しい環境に適している高性能なバルブです。二重偏心構造を採用しており、ステンレス鋼製で作られています。要部にはオールステンレスとPTFEシートが使用されており、高い耐腐食性能が実現されています。
※参照元:株式会社キッツ(https://kitz-product.com/service/butterfly-ball/ub/)
「CBSサニタリーバタフライバルブ」は、構造がシンプルで構成部品が少なく、分解や組み立てが簡単な点が特徴です。シートリングには、標準でシリコンが使用されており、オプションでEPDMも選択可能です。
※参照元:株式会社コンサス(https://www.consuss.co.jp/products/746/)
バタフライ弁の知識はシートリングの選定に限らず、多岐にわたります。流体制御の精度、使用する材料の選定、設置される環境、メンテナンスの要件など、さまざまな要素がバタフライ弁の機能と寿命を左右します。
以下の記事も参考にしながら、バタフライ弁全体の構造について理解を深めていきましょう。
オーケーエム
画像引用元:株式会社オーケーエム公式サイト
(https://www.okm-net.jp/)
クボタ
画像引用元:株式会社クボタ公式サイト
(https://www.kubota.co.jp/product/valve/index.html)
KITZ(キッツ)
画像引用元:株式会社キッツ公式サイト
(https://www.kitz.co.jp/)
※2022年1月に「バタフライ弁」「バタフライバルブ」「バタ弁」で検索し、該当した上位30社を調査した際の情報を基にしております。「オーケーエム」は創業年数と専門性、「KITZ」は取り扱うバルブの種類、「クボタ」は水道用バタフライ弁の取り扱い数がそれぞれ最も長い・多いため選出しました。