バタフライ弁の設計において、使用される素材は弁の機能性と耐久性に大きく影響を及ぼします。特に、素材によってバタフライ弁の質量が異なり、使用目的や設置環境によって選定すべき素材が変わってきます。
ここでは、一般的なバタフライ弁の素材と特性、質量の違いについて解説します。
バタフライの素材として使用されるのは、主に以下の4種類です。
ステンレス製のバタフライ弁は、腐食に対する抵抗力が高いため、化学工業や食品工業などの厳しい環境でよく使用されます。ステンレスは強度が高く、軽量でありながらも耐久性に優れているため、長期にわたる使用が求められる場面で適しています。
しかし、高い性能でコストも高くなる傾向にあり、初期投資が大きくなる点を考慮する必要があります。
鋳鉄製のバタフライ弁は、一般的にステンレス製よりも重量がありますが、コストパフォーマンスに優れているため、予算に制約のあるプロジェクトに適しています。鋳鉄は耐摩耗性に優れており、一定の耐腐食性も持ち合わせていますが、ステンレスに比べると耐食性は劣ります。
そのため、鋳鉄製のバタフライ弁は、腐食のリスクが比較的低い環境での使用が推奨されます。
アルミ合金製のバタフライ弁は、軽量でありながら適度な強度を持っています。特に軽量性が求められる用途、例えば移動機械や携帯用途に適しています。
アルミ合金は耐食性もある程度備えていますが、ある程度の耐食性を持っていますが、高温や化学薬品に長時間さらされる環境には適していないと言えます。また、ステンレスや鋳鉄に比べて耐久性は劣るため、使用環境を慎重に考慮する必要があります。
PFAライニング製のバタフライ弁は、高い耐化学薬品性と耐熱性を持ちます。PFAはフッ素樹脂の一種であり、化学工業や薬品処理プラントなど、腐食性の高い液体を取り扱う環境に特に適しています。
しかし、PFAライニング製のバタフライ弁は、特殊な材質のため、他の一般的な素材に比べ重量がやや増加する可能性があります。そのため、設置やメンテナンスの際に工夫が必要になる可能性があります。
バルブの質量は、取り扱いや設置における選定基準の一つです。バタフライバルブは設計上、グローブバルブ、ボールバルブ、ゲートバルブなど、他の一般的なバルブタイプと比較し、軽量であることが特徴です。
特に手動式である場合、他種バルブに比べ重量が非常に軽いです。さらに、空気式や電動式へと変更することで、差は大きくなります。
バタフライ弁の選択は、質量だけでなく流体制御の精度、材料選定、設置環境、メンテナンス要件といった、多角的な視点が求められます。適切なバタフライ弁の選定と運用は、システムの安全性と効率性を向上させる鍵となりますので、基本的な知識を理解し、施設に合うバタフライ弁を選ぶことが重要です。
以下の記事も参照しながら、バタフライ弁の構造と機能について理解を深めましょう。
オーケーエム
クボタ
KITZ(キッツ)
※2022年1月に「バタフライ弁」「バタフライバルブ」「バタ弁」で検索し、該当した上位30社を調査した際の情報を基にしております。「オーケーエム」は創業年数と専門性、「KITZ」は取り扱うバルブの種類、「クボタ」は水道用バタフライ弁の取り扱い数がそれぞれ最も長い・多いため選出しました。