清水工業の流量調整形バタフライ弁は、中心部円盤状の弁体にある、くし状の切込みや小さな穴を利用して液体の流量を調整します。調整用の板を取り付けることによって水の流れが分散され、キャビテーションの抑制にも効果的。手動と電動の2種類があるため、ニーズに応じて選べます。
オリフィス弁とバタフライ弁をかけ合わせて、流量調整を可能にさせるハイブリッドバルブです。開度100%が可能な上、弁体にある穴の大きさも調整できるのが特徴。これによって、開度が大きくても、穴の調整によって流量をコントロールできます。さらに、半球形になっているガイドも液体を分流させ、キャビテーションを抑えてくれます。
正英製作所のバタフライバルブはガス配管向けに作られています。弁体の開度を調節することでガスの流量が調整可能。本体には開度設定の目盛りが記載されていて、その設定を固定できるため、手動でも操作しやすい仕組みになっています。また、各メーカーのコントロールモーターの搭載にも対応しているため、電動の操作も可能です。
清水鉄工所のバタフライ弁は通水と整流機能を同時に実現しています。開度20%以下における細かい流量調整が可能で、キャビテーションの現象も低減してくれます。
バタフライ弁は流量調整に適したバルブだといわれており、全開・全閉だけでなく中開度での使用も可能です。
バルブの開度と容量係数(流れやすさ)の関係を流量特性と呼んでおり、バルブ全開時の開度と容量係数をそれぞれ100%とした場合において相対的な流量特性を「固有流量特性」と呼んでいます。
固有流量特性はクイックオープン・リニア・イコールパーセントの3種類で表され、リニアまたはイコールパーセントに属するバルブは流量調整に適していると考えられています。バタフライ弁の固有流量特性はイコールパーセントですから、流量調整に適しているバルブだといえるのです。そのため、バタフライ弁は流量制御が必要な用途で多く活用されています。
クイックオープンは、弁の開き始めで容量係数が急激に変化する特性をさします。小弁開度だとCv値の変化が大きく、大弁開度になるにつれてCv値の変化が小さくなるのが特徴。流量調整には向きませんが、小さい開度のうちから比較的大きな流量を得られることから、遮断弁や一斉開放弁などオン・オフ制御を目的とした弁に適しています。
一般的なバルブだと、玉形弁(円錐型)がクイックオープンに近い特性を有しています。
リニアは、弁開度とCv値が比例する特性を有しており、弁開度に対してCv値が直線的に変化するのが特徴です。リニア特性が有効に働くのは、常に差圧が一定の条件で使用する場合。たとえば「二次側の配管が短くて十分な太さがある(圧力損失が発生しない)」「二次側が開放で流量に対して十分な太さがある」といったケースがあげられます。
差圧が常に一定になるケースは少ないものの、配管抵抗が小さい場合の流量調整では、リニア特性が適しています。仕切弁や玉形弁(プラグ形)がリニアに近い特性を持ったバルブです。
イコールパーセントは、小弁開度のときのCv変化値が小さく、大弁開度になるにつれてCv変化値が大きくなる特性のこと。通常は弁開度を大きくすると、バルブの前後差圧が小さくなって流量が増えにくくなります。一方で、イコールパーセントは弁開度変化と流量変化の増加比率が等しいため、一般的な流量調整において優れた制御性を発揮するのが特徴です。
イコールパーセントに近い特性を有しているバルブには、ボール弁やバタフライ弁などがあげられます。
調節弁を流れる流量は、弁前後の差圧と弁開度によって決まります。バルブの差圧が一定に維持されているときにバルブの特性が流量に現れることを固有流量特性と言い、代表的な固有流量特性が「クイックオープン」「リニア」「イコールパーセント」の3つです。
一方で、弁開度の変化に応じてバルブ前後の差圧が変化したときの弁開度と流量の関係は、固有流量特性からズレたものになります。バルブと配管抵抗の両方を含んだ特性を有効流量特性といい、配管圧損やポンプの特性と相関関係にあるのが特徴です。
バルブを全開にした際、単位時間あたりにバルブを通過する流体の体積または重量のことをバルブの容量といいます。バルブの容量は一般的にバルブの種類とポートの口径によって決まりますが、同じ種類・口径でもメーカーによって容量が異なり、さらに流体の種類や温度、粘度、ポート前後の差圧など、さまざまな因子によっても左右されます。
これだとバルブの選定が困難になることから、バルブを全開にした際の単位時間あたりに流れる流体の体積を表すCv値(容量係数)が使用されています。Cv値が大きいほど圧力損失が少なく、バルブを通過する流量が大きくなるのが特徴です。
上流側に比べて下流側の圧力が低下することを圧力損失と呼びます。圧力損失はエネルギー損失とイコールであり、圧力損失係数の値が大きいと流体が流れにくくなり、流量が減少します。経路の長い配管で圧力損失が大きい場合、下流まで液体が流れないという事態が発生しかねません。
一方で、バルブの容量係数であるCv値が大きいほど圧力損失が少ないことを意味しており、バルブを通過する流量も増加します。バルブの流量調整にかかわるものにレンジアビリティがありますが、これはバルブの制御性が良好な範囲で制御できる最大Cv値と最小Cv値との比のこと。一般的に圧力損失係数が小さく、流量特性がクイックオープンに近い、レンジアビリティの比が小さいものは流体制御に不向きとされています。
流量調整とは、配管に流れる流体の量を一定にすることをさします。流量を制御するためには流量計を用いますが、手動で調整を行う場合は制御弁の一次側・二次側条件の変動や流量変更をスピーディに行えないため、手間や人手がかかってしまいます。
しかしバタフライ弁には電動機を搭載することも可能ですので、自動で流量調整をできるようにするのがおすすめ。調整したい流量を数値で入力して制御弁に電流を送れば、自動で流量を一定に保つことができます。
流量調整に適したバルブとしてはバタフライ弁のほかにグローブバルブ(玉形弁)が挙げられますが、バタフライ弁はグローブバルブよりも流量の制御範囲が広いというメリットをもっています。またバタフライ弁は電動機の搭載も簡単に行えるため、自動調節弁として使用することも可能です。
バタフライ弁は流量調整に優れているため中間開度での使用も可能です。ただし低開度では弁体がゴムシートに乗り上げている状態のため、制御には向きません。一般的にバタフライ弁では弁開度30%以下での流量制御はできないと考えておきましょう。
また、圧力差が大きい場合はキャビテーションの発生に注意しなければなりません。
バタフライ弁は他の制御用バルブと比較してコンパクトで軽量であり、少ない設置スペースでも導入できます。さらに開閉トルクが小さいというメリットをもっているほか、構造がシンプル。流量特性にも優れているため、流量調整を容易に行えます。
そのため、たとえば何度も流量調整が必要な流路での使用も可能。流量調整能力に優れたバルブを探している場合は、バタフライ弁の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
オーケーエム
クボタ
KITZ(キッツ)
※2022年1月に「バタフライ弁」「バタフライバルブ」「バタ弁」で検索し、該当した上位30社を調査した際の情報を基にしております。「オーケーエム」は創業年数と専門性、「KITZ」は取り扱うバルブの種類、「クボタ」は水道用バタフライ弁の取り扱い数がそれぞれ最も長い・多いため選出しました。